京都の朝ごはんは、パンだと思います。
寺と和食の都に3年住んで、いちばん意外だったのがこれでした。総務省の家計調査を見ると、京都市のパン購入額は長らく「日本一の常連」。最新の3年平均(2023〜2025年)では神戸市、堺市に次ぐ全国3位です。「京都はパン日本一」と紹介されることが多いのですが、正確には今は3位。それでも、うどんやお米の似合う顔をして、この街は関西のパン御三家に入り続けています。

私は早朝の散歩が日課で、6時ごろには鴨川沿いを歩いています。最初の頃、この時間に開いている店はコンビニだけだと思っていました。違いました。松原通のまるき製パン所は朝6時半にはもう店を開けています。7時になると烏丸御池近くのFlip up!、出町柳のエズブルーが続き、7時半には1913年創業の進々堂と綾小路の2/7 kitchenが開く。8時には高辻の汎洛、四条寺町のTHE CITY BAKERY、行列で有名なAMAM DACOTANまで店を開けます。
朝7時前に焼きたてのパンが買える街は、そう多くないと思います。
この記事は、散歩のついでに通ってはGoogleに口コミを書いてきた27軒の全記録です。開店時刻・価格はすべて訪問時点のもの。お出かけ前に各店の最新情報をご確認ください(訪問時期は各店の口コミ投稿日を添えています)。
朝6時半から回る「朝パンの時刻表」
「朝」に強い店を、開店時刻順に。
- 6:30 まるき製パン所(松原通)
- 7:00 Flip up!(烏丸御池近く)
- 7:00 エズブルー(出町柳)
- 7:30 進々堂(寺町ほか・店舗により異なる)
- 7:30 2/7 kitchen(綾小路×柳馬場)
- 8:00 汎洛(寺町×高辻)
- 8:00 THE CITY BAKERY(四条寺町)
- 8:00 AMAM DACOTAN
ちなみにこの1年ほどで、朝パンの地図は少し書き換わりました。まるき製パン所は2026年4月に京都市役所横の「ててまち」に2号店を開き(8時開店・日月休)、Flip up!も2025年2月に六角堺町に2号店を出しています(8時開店・火曜休)。行列の老舗が支店を出す側に回る——伸びている市場だということだと思います。一方で、寺町のリベルテのように閉店した店もあります。この記録には、もう行けない店も含まれています。
朝に強い店(時刻表の8軒+α)
まるき製パン所(松原通)★5|2024年3月訪問
朝6:30から開いている名店。接客が丁寧で、食パンも売っているので重宝。惣菜パンはココならではのオリジナリティがあって楽しい。コストパフォーマンスもよく、一度は行ってほしい店。時間帯によっては並びます。
Flip up!(鴨川沿い・烏丸御池近く)★5|2023年9月訪問
朝7時開店。早朝の鴨川散歩の帰りに寄れる貴重な店で、特にベーグルの評価が高い。ゴルゴンゾーラ入りクロワッサンなどチーズ系も充実。朝早く行くと焼きたてに当たる確率が高く、値段の安さに驚きます。訪問時は現金のみ→その後PayPay対応。

エズブルー(出町柳)★4|2024年4月訪問
朝7:00オープン。ハード系・惣菜・菓子パン・サンドイッチと幅広いラインナップで、値段もリーズナブル。食べログ100名店にも選ばれています。昼過ぎには食パンや総菜系はけっこう売り切れるので、昼まえの来店がおすすめ。

進々堂 三条河原町店 ★5|2025年2月訪問
1913年創業の老舗ベーカリーの、ロイヤルパークホテル京都三条1階にある店。7:30〜20:00・年中無休でアクセス抜群(市役所前駅徒歩3分)。モーニングあり、パンとコーヒーのおかわり可能なメニューあり。定番商品が充実し、テイクアウトとイートイン両方OK。
進々堂 東洞院店 ★4|2025年2月訪問
烏丸駅徒歩5分、カフェ併設40席。モーニング(7:30〜11:00)の看板は「オニオングラタンスープのスープブレックファースト」。パンは小麦の風味が強く、飽きのこない味わい。季節限定も豊富。
2/7 kitchen BAKERY(綾小路×柳馬場)★5|2024年6月訪問
朝7:30から。クロワッサンとサンドウイッチが有名。種類はそれほど多くないが、どれも美味しい。和風の設えの雰囲気もよく、リピートしています。「1週間に2回は通いたくなる店」で2/7——ネーミングもよく練られています。
汎洛(寺町通から高辻通 西すぐ)★4|2024年5月訪問
壁のキリンの絵が目印。8:00開店で重宝します。すごく凝ったパンはありませんが、昔ながらの懐かしい味と手頃な価格。朝は焼き立てが食べられる可能性が高い。カレーパン・コロッケパンをいただきました。日祝休。

THE CITY BAKERY 京都四条寺町 ★4|2025年2月訪問
ニューヨーク発祥のベーカリー&カフェの京都店(2021年7月オープン)。京都らしい町家風の外観に、プレッツェルクロワッサンなどNY定番と、ほうじ茶・抹茶・九条ねぎ・山椒など京都の食材を使った限定商品が共存。朝8時から営業、店内で焼くパンの焼きたてが楽しめ、1階24席+テラス8席+2階26席で中庭を臨む開放的な空間。

AMAM DACOTAN 京都 ★5|2025年1月訪問(個人的・京都No.1)
28軒通った現時点で、個人的な京都ナンバーワン。行列で有名ですが、思っていたより美味しかった、が最初の感想です。くるみ・ナッツ・アーモンドなど味と食感のアクセント、いままで食べたことのないような食材の組み合わせ。価格も高くない。レジ1〜2名で、これだけ魅力的だと大量購入する方が多く包装に時間がかかるため、並ぶのはやむ無し。営業が8:00からになり、呼び出し待ちもできるようになりました(呼び出されてからも10分ほど待ちます)。時間が経つと商品が減っていくので、行くなら朝イチを。


行列・話題の新店
Slō(寺町通・松原通付近)★5|2024年1月訪問
朝の散歩で行列を発見して知った店。ショーケースのみで販売していて、所狭しと美味しそうなパンが並びます。ゴルゴンゾーラとクルミ、ソーセージとマッシュポテト、めんたいフランス、サーモンクロックムッシュ、マフィン——迷います。交通量の多い通りで人員整理が大変そうなほどの人気。

Le Petit Mec 今出川店 ★5|2024年2月訪問
京都の複数店舗展開の雄。私は御所近くの店によく行きますが、販売しているパンの種類は御池店のほうが多く、eat inスペースが広いので朝食利用も。御池・今出川のほか京都大丸・JR京都駅・伊勢丹、大阪(阪神・心斎橋)、東京(日比谷)にも。OMAKE店(中京区池須町)が穴場。価格は少し高めですが、オリジナリティがあって価値ある。

LIBERTÉ PÂTISSERIE BOULANGERIE 京都店 ★5|2025年2月訪問
フランス発祥のベーカリー&パティスリー。京町家をリノベーションした空間で、1階がパンとスイーツ、2階がカフェ。フランス産小麦とAOPバターのクロワッサンとバゲットが看板。京都限定の「パン ド ミ ジャポネ」や抹茶スイーツも好評。9:00〜19:00無休。


Bakery uki(京都)★3|2024年10月訪問
狭小なお店で、1組しか入れません。土曜の昼過ぎに行ったらアイテムがほぼ残っていませんでした。カレーパン・ドック・クロワッサンで¥1300は正直高め。もっちりではあるものの、価格を考えると飛び抜けてはいない印象。商品がたくさんある時間帯に再訪したい。

ベーグルの専門店たち
green RABBIT BAGELS(中京区・六角通)★5|2025年2月訪問
河原町丸太町で人気のRABBIT BAGELの姉妹店。緑を基調にしたナチュラルな一軒家スタイル。プレーン、全粒粉、野菜を練り込んだ限定ベーグルなど種類豊富で、ヴィーガン対応のベーグルやサンドも。自家製レモネードあり。1,000円未満と手頃。

Flip up!2(六角堺町東)★5|2025年2月訪問
Flip up!の2号店(2025年2月14日オープン)。8:00〜18:00・火曜定休。ベーグルや食パンを中心に品揃え多彩で、特にベーグルの種類の豊富さと焼きたて食パンの美味しさが好評。朝一の訪問がおすすめ。


ブラウニーブレッド&ベーグルズ(京都)★5|2023年9月訪問
超美味しいベーグルにビックリ!! 値段も安くてとても満足。ホットドッグももちもち。何がいいって、中の具材やソースが凝っていること。溜まり醤油に漬けたチーズとトマト、ジャガイモなども入っていて、食べていて飽きない。リピート間違いなし。

サンドイッチ専門店
Dad’s bread n’ coffee(四条烏丸から烏丸通少し南)★4|2025年2月訪問
フラットブレッドサンドイッチ専門店。外はカリッと、中はもちもち。コーヒーとの相性も抜群。一人でも入りやすく、テイクアウトして近くの公園でピクニック気分も。京都観光の合間に。

Taku Sando Sanjo(三条)★5|2025年11月訪問
ニューヨーク発の人気サンドショップが京都に上陸。ふわふわのパンにジューシーなカツ、食べごたえ抜群。外国人のお客さんも多く国際的な雰囲気。テイクアウトして鴨川や御所でピクニックもおすすめ。味も見た目も海外っぽくて映える一軒。


KANAKIYO(寺町通×高辻通)★4|2024年5月訪問
とても種類が多く、サンドイッチも多種揃っていて選択肢に困る店。ディスプレイも見やすく、見ているだけで楽しい。



街の実力派・普段使い
グランディール 下鴨店 ★4|2025年2月訪問
京都でも評判の高いベーカリー。ハード系が特に美味しく、バゲットやカンパーニュの香ばしさと食感が秀逸。看板の「ベーコンエピ」は噛むほどに旨みが広がる。クロワッサンはバター豊かで外パリ中しっとり。サンド充実、こぢんまりした店内は焼きたての香り。接客も親切。価格はやや高めだが品質を考えると納得。


グランディール 御池店 ★4|2025年2月訪問
京都市役所前駅徒歩1分。黒基調のアメリカンスタイルで店内はモノトーン。約100種類のパンで品揃え豊富、焼き上がり時間の掲示が嬉しい。ベーグルとパニーニが秀逸で、クランベリーベーグルは柔らかく食べやすい。辻利の抹茶あんぱんも絶品。北海道小麦の微粉砕全粒粉を使ったパンなど健康志向にも。
FLEUR DE FARINE(八百一の近く)★5|2025年2月訪問
1989年創業。店内に約100種類のパンが並ぶ、少量スタイルが特徴の店。デニッシュ系はサクサク、サンドイッチの歯切れの良さも秀逸。バナナとカスタードの「バナーヌ」は香ばしさと甘さが絶妙。マフィンも人気。夕方には売り切れも多いので早めに。

カスカード ゼスト御池店 ★4|2025年7月訪問
御池のzest地下街にある神戸発祥のチェーン。値段も安く美味しいので良心的で穴場、普段使いで重宝。惣菜系・サンドウィッチ・菓子パン・バゲットなど種類も多く、4つ買っても1000円以内。イートインあり。

手作りパン工房 coneruya(丸太町七本松)★4|2024年3月訪問
地元に愛されるリーズナブルな店。店内は同時入店5名まで。お昼を過ぎても焼き立てパンが続々と出てきます。近くの自販機でもこの店のパンが販売されているのが面白い。クレカ・PayPay可。

ヒナミ hinami(丸太町×河原町交差点)★5|2024年4月訪問
ホテルのフレンチシェフだったオーナーがつくるパンは、どれも野菜が新鮮で美味しい。淡路島の農家から直接仕入れる玉ねぎや季節の野菜など、鮮度抜群の食材をふんだんに使ったパンが店頭にずらり。Leafでも紹介された人気店。

アルチザナル(出町柳)★4|2024年4月訪問
シンプル&シックなベーカリー。クロワッサンやバゲットが中心。12時頃にはパンはほぼ売り切れていましたが、運良く焼きたてのガーリックトーストをいただけました。10時頃が一番量が多いそう。現金のみ。

記録として(閉店)
ブーランジェリー リベルテ 京都寺町本店 ★4|2023年9月訪問 ※その後閉店
朝7:00からオープンしているありがたい店でした。クロワッサンが美味しく、値段は平均300円くらい。サンドイッチは440円以上から。現金のみ。——この記事を書いている時点で、すでに行けない店です。朝パンの地図は生きもので、毎年書き換わっていきます。
なぜ京都でパンなのか
よく言われる説明は「職人の街だから、片手で食べられる朝食が好まれた」「喫茶店文化とセットで育った」というものです。進々堂の創業が1913年ですから、少なくとも100年かけて根づいた習慣なのは確かで、喫茶店のモーニングと朝のパン屋が地続きなのも、住んでいると実感します。
ただ、3年住んだ実感として付け加えたいのは「朝の早い街だから」です。お寺の朝勤行、錦市場の仕込み、銭湯の朝風呂。京都の朝は観光客が起きる前から動いていて、朝6時半のパン屋はその風景の一部です。パンが京都に合わせたのか、京都がパンに合わせたのか。たぶん前者だと思います。
白状すると、移住した当初は「京都に来たからには朝は土鍋でごはんを炊くべきだ」と思い込んでいました。3年経った今、うちの朝食はほぼパンです。統計に自分が組み込まれていく感覚があります。
使い分けの結論
- 平日の普段使い:まるき製パン所、汎洛、カスカード(ゼスト御池の地下・4つ買って1000円以内)
- 週末のごほうび:AMAM DACOTAN(朝イチ)、Slō(寺町の行列店)、グランディール
- 人を連れて行く:進々堂のモーニング、THE CITY BAKERY、AMAM DACOTANのカフェ
- ピクニック:Taku Sando、Dad’s bread n’ coffee を鴨川か御所で
京都の観光は昼から混みます。朝6時半のパン屋と7時の鴨川は、まだ地元の時間です。旅行で来る方も、一日だけ早起きして「朝パン」から始めてみると、ガイドブックと違う京都が見えると思います。
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(開店時刻・価格は訪問時点のものです。お出かけ前に各店の最新情報をご確認ください)